四国電力の佐伯勇人社長は27日、高松市の本店で定例会見し、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働時期について「年度内は困難」と述べ、4月以降になるとの見通しを示した。耐震設計などを詳細に盛り込んだ工事計画の認可に関し、国の原子力規制委員会の審査に時間を要していることが要因としている。
 佐伯社長は「(規制委の事務局の)原子力規制庁によるヒアリングで、数字の根拠や表現についての指摘が多数あると聞いており、あらためて解析する必要がある」と説明。認可を受けた後、再稼働前の最終段階となる使用前検査などの工程を踏まえ「2カ月間で原子炉起動準備は到底難しい。年度は超えざるを得ない」と述べた。
 使用前検査は、規制委の担当者が設備や機器について現地で確認する。
 再稼働の前提となる工事計画と保安規定に関し四電は昨年10月末までに、竜巻防護対策を含む全ての補正申請書を規制委に提出し終えている。中村時広知事は県議会による再稼働を認める決議や伊方町の山下和彦町長による再稼働の容認などを踏まえ10月26日、再稼働に同意している。