幕末に活躍した四賢侯家の現当主らが一堂に会する「四賢侯サミット」が23日、愛媛県宇和島市の中心商店街「きさいやロード」であり、各藩主にまつわるエピソードやお国自慢で、集まった歴史ファンらを楽しませた。宇和島伊達400年祭の秋のメーンイベントの一つ。
 幕末の四賢侯と称されるのは、福井藩の松平春嶽、土佐藩の山内容堂、薩摩藩の島津斉彬、そして宇和島藩の伊達宗城。時代の変化を敏感に読み取り藩政改革を進めた英明藩主で、幕政にも大きな影響力を持った。
 福井市美術館の西村英之館長(58)、土佐山内家19代当主の山内豊功さん(74)、土佐山内家宝物資料館の渡部淳館長(52)、尚古集成館(鹿児島市)の田村省三館長(61)、宇和島伊達家13代当主の伊達宗信さん(44)が参加した。
 四賢侯の人柄紹介から始まり、西村館長は春嶽が教育に重点を置いたとし「学ぶ姿勢を受け継ぎ、福井県は全国学力テストの平均点が小中学校すべての教科で上位5番以内に入っている」と説明。山内さんは容堂の酒豪としての一面に触れ「(山内家は)代々飲み続けているので、だんだん強くなっている」と会場の笑いを誘った。田村館長は「アルコールから鉄砲や大砲の発火薬を作るために芋焼酎が量産されるようになった」と、鹿児島名産の芋焼酎と斉彬の関わりを語った。
 サミットの最後には「四賢侯都市宣言」し、親密な関係を続け、さらなるまちの発展に寄与していくことを誓った。