愛媛県松山市堀之内の県美術館で16日、特別展「生命大躍進 脊椎動物のたどった道」(NHK松山放送局、愛媛新聞社など主催)が始まり、総合監修を担当した国立科学博物館(東京)の山田格(ただす)名誉研究員が記念講演した。来館者ら約100人が40億年の生命の歩みの中で起こった劇的な進化について理解を深めた。
 「ヒトに至る、脊椎動物の進化のドラマ」と題した講演で、山田名誉研究員は「親世代の遺伝子が完全にコピーされることなく、エラーが起きることで多様性が生まれた。エラーは欠陥だが、まれに親世代より優れた特徴を持ち、これらが積み重なって進化してきた」と説明した。
 生命の壮大な道のりの重要な局面として、顎の獲得や胎盤の形成などを紹介。「4億年前に顎のある魚が登場し、顎をうまく使い餌を得るため水平のひれが発達。さらにひれを制御するため3番目の半規管が追加され、人間と同じ『三半規管』を持つようになり3次元活動が可能になった」などと話した。
 記念講演会は17日も午後2時から開かれる。特別展は4月3日まで。