豊臣秀吉の四国平定で滅んだ領主を慰霊するため愛媛県四国中央市土居町に伝わる「畑野の薦田踊り」が16日、地元の薦田神社で奉納された。青い法被姿の男児12人が太鼓やかねを鳴らし、舞を披露。住民ら約50人とともに、伝統継承への思いを新たにした。
 伝承によると、薦田踊りは畑野地区に城があった薦田一族の慰霊のため、民衆らが始めたとされる。県指定無形民俗文化財で、踊り手の減少などで一時中断したが、1970年に住民有志が保存会を立ち上げ毎年8月16日に奉納している。
 子どもたちはサクラの木や巨石を囲み、楽器を鳴らして繰り返し踊った。その外を40~80代の男性約20人が囲み、全12番を歌った。軽やかな楽器の音や歌声とともに、「ソーレ」「イーヤ」と子どもたちの元気の良い声が境内に響いた。