くい打ち工事改ざん問題、データ流用 松山市営2団地も
くい打ち工事のデータ改ざん問題で、愛媛県松山市は25日、市公営住宅の三津口団地(萱町6丁目、2008年5月完成)と高砂団地(高砂町3丁目、12年2月完成)でくいのデータ流用があったと発表した。市は建物の安全性に問題はないとしている。
三津口団地は大洋基礎広島営業所(広島市)がくい施工の管理者で07年5月に工事、コンクリートくい23本中2本に流用があった。高砂団地はジャパンパイル四国支店(高松市)が管理者として10年11月に工事、17本中1本に流用があった。両社とも、くいの形状や寸法を記すデータを紛失し、同じ現場の別のくいのデータを転用していた。
市が改ざん問題を受けて、くい工事を行った過去10年間の市発注工事を調査する中で判明した。
市はデータ流用があったくいについて、施工当時の写真で作業工程を確認したほか、コンクリート量やくいの深さから、「くいは全て設計通り施工され支持層に達している」と判断。現地での建物調査では傾きやひび割れはなかった。