2012年11月、砥部町の愛媛県立とべ動物園から東京都日野市の多摩動物公園に引っ越した雄のアフリカゾウ「砥夢(とむ)」。転園当時は3歳8カ月のかわいい子ゾウだったが、今年3月で7歳になり、見た目も大きくなった。父親「アフ」(推定29歳)の死という突然の悲報に多摩の飼育担当者も肩を落とし、種の保存に向けた砥夢への期待がより切実になっている。
 砥夢の飼育担当者によると、転園後は歯が生え替わったときに数日間食欲が落ちた程度で「人間でいうと風邪ひとつひかない」ほど順調に育っている。太い木の枝や竹も足でバリバリと割って口に運ぶなど食欲旺盛だ。
 昨夏の体重は約2300キロ。転園時から900キロも増えた。乳母役の「チーキ」(雌、推定40歳)に肩を並べるほど背が伸びたが、脚はまだ細い。「少年から若者になりつつある」(木崎さん)過程で、これから骨格がしっかりして肉付きが良くなり、立派な体格になっていくという。