四国のサッカー関係者との意見交換会で松山市を訪れた日本サッカー協会の田嶋幸三会長(58)が17日、愛媛新聞の単独インタビューに応じ、地方クラブの役割などについて語った。
◆3月に新会長に就任した。
 就任して約2週間、責任の重さを感じている。(育成強化など)自分が示したマニフェストを再度、全国の9地域の組織の人と一緒に確認し、方向性を共有していきたい。
◆10日のJFAアカデミー今治2期生の入校式にも駆け付けた。アカデミーの役割は。
 女子の基盤はそれほど全国に広がっておらず、中学校に上がると同時にプレーする環境が少なくなる。やりたくてもできないため別の競技に移る人もおり、本当にサッカーをしたい子にとってのチャンスをつくりたいと思った。(女子は)全国3カ所にアカデミーがあり、今治では四国4県などからの子どもをしっかりと育成して地元に帰す役目がある。四国全体の女子サッカーのレベルアップが将来的な代表選手の成長につながる。
◆J2の愛媛FCなど地域のクラブに求める役割は。
 クラブは地域に根ざしていかなければいけない。育成型などいろいろなタイプがあり、欧州のクラブのように、愛媛県出身、四国出身の選手だけを使う思い切ったやり方をしてもいい。地方色をしっかりと出していくクラブが将来生き残っていくと思っており、そのためには育成をしっかりとすることが大切。
 愛媛FCがJ1を目指すのはJリーグに所属している以上当然。昨年5位に入り、J1に行けそうな位置まできたことはものすごく評価できると思っているが、地元の人に愛されるチームであるべきだということを忘れないでほしい。
◆熊本など九州での地震の影響は。
 しっかりと被害の状況を把握した上で、どのようなサポートが必要かを考えていかなければならない。自粛だけがすべてではないし、インフラなどが回復して被災地が落ち着けば試合などを再開し、励ませられればと思っている。

 【たしま・こうぞう】 筑波大卒業後、古河電工(現J2千葉)でプレー。現役引退後、ユース年代の日本代表チーム監督や日本サッカー協会技術委員長、専務理事、副会長などを歴任した。2016年3月に会長に就任。熊本県苓北町出身。