フグ調理の技向上へ腕競う 名人戦に20人 包丁さばき鮮やか
フグが旬となる季節を前に「第61回愛媛県ふぐ調理名人戦大会」が26日、松山市旭町の愛媛調理製菓専門学校であった。フグ取扱者免許を持つ県内の調理師20人が包丁さばきや盛り付けの美しさを競った。宇和島市丸之内1丁目の料亭「海鮮割烹一心」の板前吉良剛さん(44)が優勝し、名人位に認定された。
調理技術を向上させ、フグの消費拡大につなげようと県調理師会(岡崎城司会長)が毎年開催。大会では、約800グラムの宇和島産養殖トラフグ1匹を40分以内で刺し身の「てっさ」と鍋の「フグちり」に調理し、審査員9人が衛生に対する姿勢や独創性など10項目の観点から審査した。
参加者は複数の包丁を使い分けて毒のある内臓などを丁寧に取り除き、身を薄く切り分けた。ニンジンや白菜などの野菜も彩り豊かに盛り付け、完成させていた。
参加した松山市二番町2丁目の居酒屋「海の幸 鯛や」の板前乗松幸治さん(41)は「最後の飾りの部分で時間が足りなかったが、衛生面に特に気を付けて調理できたのでよかった」と話した。