2015年7月に愛媛県立学校で通学時の自転車ヘルメット着用が義務化されて1年になったのに合わせ、県警交通企画課は19日、高校生の1年間の自転車事故の発生状況をまとめた。制度開始の前後1年間の比較では、ヘルメットの被害軽減効果が見込まれる重傷以上の事故件数が約17%減少した。高校生の自転車事故件数は約21%減で、全体の約16%減を上回った。
 交企課によると、県警が月1回、街頭で行う調査では、通学時の高校生の着用率は、義務化後はおおむね8、9割で推移。義務化前は1割前後だった。
 県立学校の生徒の登下校中の自転車事故は、義務化前の1年間の68件から52件に減少。国立・私立学校の生徒は義務化前後とも1年間で31件だった。義務化後、着用者と非着用者で過失が大きい第1当事者になる割合では、着用者は約27%で非着用者は約33%だった。
 16年2月、松山市の市道交差点で飲酒運転の軽乗用車が登校中の女子高校生をはねて逃走したとされるひき逃げ容疑事件では、自転車の女子高校生が頭部などを強打。一命を取り留めたが、ヘルメットを着用していなければ死亡していた可能性があったとされる。