ボートは6日、今治市玉川湖ボートコースで少年男女、成年男女の12種目の予選があり、愛媛は少年男女の全6種目のほか、成年女子のかじ付き4人スカルとダブルスカル、成年男子かじ付きフォアが予選を突破し、8日の準決勝に駒を進めた。
 7日には敗者復活戦があり、愛媛から成年男子ダブルスカルの武田・別府組と、成年女子シングルスカルの谷川早紀が出場する。

 ◇…愛媛勢の成績…◇
 ▽成年男子かじ付きフォア予選
 「A組」①愛媛(愛媛選抜=尼田、伊藤、船田、溝辺、光岡)3分15秒23=準決勝進出
 ▽ダブルスカル予選
 「I組」②愛媛(愛媛選抜=武田、別府)3分16秒15=敗者復活戦へ 
 ▽シングルスカル予選
 「A組」越智寛太(今治造船)=途中棄権
 ▽成年女子かじ付き4人スカル予選
 「D組」①愛媛(愛媛選抜=溝辺、小原、首藤、宮住、松井)3分27秒50=準決勝進出
 ▽ダブルスカル予選
 「C組」①愛媛(愛媛選抜=杉原、山田)3分42秒90=準決勝進出
 ▽シングルスカル予選
 「D組」④谷川早紀(今治市役所)4分5秒67=敗者復活戦へ
 ▽少年男子かじ付き4人スカル予選
 「C組」①愛媛(愛媛選抜=青野、岡本、木村、阿部、河野)3分7秒70=準決勝進出
 ▽ダブルスカル予選
 「A組」②愛媛(愛媛選抜=衣笠、中里)3分22秒25=準決勝進出
 ▽シングルスカル予選
 「C組」②内山正喜(今治北高)3分40秒53=準決勝進出
 ▽少年女子かじ付き4人スカル予選
 「B組」①愛媛(愛媛選抜=岩城、藤谷、西、大松、坂口)3分33秒79=準決勝進出
 ▽ダブルスカル予選
 「C組」①愛媛(愛媛選抜=田窪、谷口)3分37秒65=準決勝進出
 ▽シングルスカル予選
 「D組」①船田朋奈(宇和島東高)4分8秒28=準決勝進出

【武田・別府組、敗者復活戦へ 気持ち切り替え「やるしかない」】
 成年男子ダブルスカルの武田・別府組は予選で組2位となり、敗者復活戦に回った。敗者復活戦を組1位で通過すれば準決勝に進むことができ、5大会連続の五輪出場経験を持つ武田は「やるしかない」と気持ちを切り替えた。
 レースは終始、滋賀を追う展開となった。半分の500メートル通過タイムは0・92秒差だったが、後半に巻き返せなかった。早いレース展開で、2人のピッチにずれが生じたといい「課題が修正できればもっとスピードが出る」と武田。
 23回目となる国体出場で敗者復活戦は初めてという武田は「準決勝、決勝、そして優勝を目指す」と誓った。

【船田憲司(ふなだ・けんじ トヨタ紡織)杉原参智(すぎはら・みち 今治造船) 競技復帰、愛媛に恩返し】
 地元国体での活躍を期し、競技復帰した愛媛のボート選手がいる。成年男子かじ付きフォアの船田憲司(33)=トヨタ紡織=と成年女子ダブルスカルの杉原参智(28)=今治造船=だ。
 宇和島東高出身の船田は実業団のトヨタ紡織(愛知県)で活躍した選手。けがなどもあり2006年に引退したが会社には残り、仕事を続けていた。14年1月に愛知県東郷町にボートクラブができたことを機に「地元愛媛に恩返しがしたい」と競技を再開した。早朝と仕事後に黙々とシングルスカル艇をこいで力を付け、15年ぶりに愛媛代表の座を射止めた。
 杉原は「一観客として応援していたら『こぎたい』と後悔するはず」と理由を語る。今治北高時代に国体のシングルスカルで優勝。卒業後は実業団のデンソー(愛知県)で数々の日本一に輝いた。U23(23歳以下)世界選手権に2年連続で出場を果たし「目標を見失った」と11年に引退したが、地元国体参戦のため、14年から今治造船ボート部で復帰した。
 2人はそれぞれ予選を組1位で通過し、準決勝進出を決めた。船田は「優勝しかない」、杉原は「結果で恩を返したい」と力強く語った。