マラリア原虫検査薬開発 愛媛大などの研究に助成1億円
愛媛大は5日、マラリア研究に取り組むプロテオサイエンスセンターなどの国際共同研究チームによる「マラリア原虫を見つけるための検査診断薬開発」に対し、グローバルヘルス技術振興基金から約1億円の助成が決まったと発表した。
同基金は、日本政府や国連開発計画(UNDP)などが設立。センターは、愛媛大発のベンチャー企業「セルフリーサイエンス」やオーストラリアの医学研究所、スイスのNPO法人と2017年3月まで共同研究を行う。
センターの高島英造准教授(40)によると、マラリアの一種「三日熱マラリア」の一部には肝細胞に寄生して一定期間潜伏する原虫が存在し、治療薬はあるが、強い副作用を引き起こす可能性があるため、同種の原虫を保有する患者を特定して治療する必要がある。
マラリア撲滅には再発が続く特徴がある三日熱マラリア対策が不可欠としており、研究チームは、愛媛大が開発したコムギ無細胞タンパク質合成技術を用いて300種類以上の三日熱マラリア原虫のタンパク質を合成。流行地の患者の血清との反応から原虫検出に最適な24種類のタンパク質を見つけ出す。最終的には、インドや東南アジア、中南米など三日熱マラリアの流行地で使用できる小型の血液検査キットの開発を目指す。