リオ五輪陸上女子3000障害 高見沢(松山大)予選敗退
【リオデジャネイロ13日愛媛新聞=久賀大輔】世界最高峰の壁は想像以上に高かった。陸上女子3000メートル障害の高見沢安珠(愛媛県松山大)は序盤に先頭に立ったが、その後は後続に追い抜かれて予選組の最下位に終わった。タイムも9分58秒59にとどまり、「後半粘ることができず、自分の走りができなかった。海外の選手にはまだ歯が立たない」と声を落とした。
午前10時すぎの五輪スタジアム。世界のトップランナーに熱視線が注がれる独特のムードの中、名前がコールされると、はにかむような表情で右手を軽く挙げた。スタート直後からトップに立った高見沢は、最初の2周までは軽やかな足の運びで序盤の集団をけん引。しかし中盤以降は粘りきれず失速し順位を落としていった。レース後、悔しさをにじませながらも「いろいろな経験ができ、4年後に向けたスタート地点に立てた」と前を向いた。
生まれ育った三重県で陸上を始めた中学時代、同郷のアテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずきさんにあこがれた。高地トレーニングなどで極限まで体を追い込む野口さんの競技姿勢を手本に、大学に入った時は「夢のまた夢だった」五輪の舞台を肌で感じ走り切った。高見沢が最終目標に掲げるのは東京五輪での入賞。「4年前とは違う姿を見せられるよう、心も体も鍛えていきたい」と決意を新たにした。