愛媛県八幡浜市管理の漁港に不法係留されていた中型トロール漁船全4隻の陸揚げ作業が20日終わり、9日から始まった強制撤去が完了した。
 市水産港湾課によると、向灘と保内町川之石の両漁港にあった計4隻を17日からえい航して、起重機船の700トンづり大型クレーンで栗野浦の市有地に18日から陸揚げした。油の流出や船体の破損はなかった。予定していた21日より1日早く作業が完了した。
 市は「陸揚げが遅れていたら船が沈没する可能性があったため、無事終えて一安心」とコメント。撤去費約6500万円は船の所有者に請求する。
 船を所有する水産会社の男性社長(60)は取材に「陸揚げしたことで船としての価値はなくなった。基幹産業である水産業者に対し、市がこういう措置をとったのは非常に残念だ」と話した。