中四国をツル越冬地に 西予で情報交換会
絶滅危惧種のナベヅル・マナヅルの新たな一大越冬地に中国・四国地方を定着させようと、管内の行政職員ら約70人が参加した情報交換会(環境省主催)が15日、愛媛県西予市役所で開かれた。今期は、多くのナベヅルが高知や愛媛など四国を中心に飛来している。種保存の観点からも、越冬地として知られる鹿児島県・出水平野への一極集中を和らげていくための方策を考えた。
四国ツル・コウノトリ保護ネットワークの中村滝男代表らによると、四国では今シーズン、少なくとも過去20年間で最多となるナベヅル約300羽が滞在し、各地を行き来している。愛媛県内でも越冬中の西予、西条の両市をはじめ松前町などでも飛来が確認された。
環境省の担当者が越冬地の一極集中により、感染症のリスクの高まりや農作物への被害を指摘。日本ツル・コウノトリネットワークの金井裕会長は、越冬にはツルの安全性と食物の確保、住民らの協力が重要とした。