室蘭工業大の永井真也准教授(政策科学)がこのほど、愛媛県今治市で古くから続き、日本の割賦販売の原点ともされる民間庶民金融「無尽」に関する市内経営者アンケート結果をまとめた。回答者の83.75%が参加した経験があると答え、永井准教授は「今治に深く根付いていることを示す衝撃的な数字」と話している。
 永井准教授は、タオルや造船などの産業に加え、バリィさんや焼豚玉子飯でも知名度が高い今治の活力の背景に興味を持つ中で無尽の存在を知った。しかし詳しい調査がなく実態をデータ化するため、今治商工会議所の会員事業所を対象に調査。回答者320人のうち男性が90.0%、40代以上が93.5%を占めた。
 参加の男女別では男性の85.42%に対し、女性は66.66%。年代別の参加率は70代以上が91.80%、40~60代が80%代前半と高いが、30代は63.16%、20代は50.0%にとどまった。
 永井准教授は「データが少なかった女性や産業別の調査もして無尽が今治の活力にどう結び付いているか探りたい」としている。