全国的に競争が激化するドラッグストア業界。生き残りを懸け、愛媛県今治市の個人経営の薬局では、県内でも珍しい店頭での簡易血液検査を導入する動きが出ている。買い物ついでに健康状態をチェックできる気軽さを武器に、量販店との差別化を図る試みだ。
 簡易血液検査は生活習慣病の早期発見を目的に、2014年4月の法改正で薬局でも可能になった。厚生労働省への届け出制で、同省医療関連サービス室によると、11月末現在、県内で4店舗、うち今治市では2店舗が導入している。
 検査は客が自分で指先に針を刺して採血。血糖値や中性脂肪、肝機能など8項目を20分ほどで調べられる。 今治市大西地区(人口約8500人)にある「すみむら薬局」。量販店に押され、日用品の売り上げが減少する状況を打開しようと、14年11月中旬に簡易血液検査を導入した。
 同薬局では「血糖」「脂質」の2種類計5項目の検査が可能。1種類千円、2種類セットは1500円で、当初の1カ月間で11件の利用があった。利用している同市菊間町浜の主婦(52)は「基本的な数値が分かるので健康管理に役立つ。悪いところが見つかって病院で早期治療するきっかけにもなる」と話す。