約50年ぶりの獣医学部新設に向け、愛媛県今治市と広島県でつくる国家戦略特別区域の区域会議分科会が12日、東京都千代田区であり、獣医学部の運営見込み事業者を学校法人加計学園(岡山市)に決めた。加計学園は獣医師を養成する獣医学科(定員160人)と獣医保健看護学科(60人)で構成する「岡山理科大獣医学部」(教員計83人)を2018年4月、今治市の今治新都市第2地区に開学する計画を明らかにした。
 分科会は非公開で、学園側が示した新学部の特徴は、動物を用いた基礎研究の成果を人の治療につなげる教育研究の推進▽家畜感染症の防疫や食品のリスク評価・管理で国際的な対応が可能な獣医師の養成▽感染症統御などの危機管理対応ができる獣医師の育成と学術支援▽創薬などのライフサイエンス分野と公共獣医事に重点を置く新たな獣医学教育拠点―の4点。
 獣医学科の教員は海外での教育経験者や中央省庁の官僚、国立研究機関の人材らを採用し、大学設置基準を38人上回る70人の専任教員体制を敷く。四国出身者を優先する30人程度の地域入学枠を設け、アジアから留学生を受け入れる。