今治・産婦人科事故 医会が会見 「総合病院搬送 判断遅かった」
愛媛県今治市の産婦人科診療所で出産直後の2人が死亡するなど医療事故が相次ぎ、日本産婦人科医会から改善指導された問題で、医会の石渡勇常務理事らが14日夜、東京都千代田区で会見し、石渡氏は死亡・重症の4例について「(心拍数などの)バイタルサインをきちんと把握し、早期に地域の総合病院に搬送する必要があった。ガイドラインからの大幅な逸脱はなかったが、1人で頑張り過ぎ、判断が遅かった」と述べた。
医会は、各支部に医療の安全確保へ一層の努力を求めるとともに、問題を抱える地域や周産期医療に当たる医師を支援し、再発防止に努める考えを示した。
石渡氏によると、同診療所では2015年、帝王切開後に女性の容体が急変し死亡する事故が発生。診療所から「妊産婦死亡が1例あった」との報告を受け、医会側は詳細な資料提出を求めたが、届かなかったため具体的な行動を起こせなかったとした。16年にも帝王切開後に出血が止まらず重症となる事故が起きた。