575人以上が亡くなった今治空襲の犠牲者を追悼する式典が6日、愛媛県今治市別宮町3丁目の四国霊場55番札所南光坊で開催された。空襲の体験者の証言や写真パネル展示もあり、遺族ら約200人があらためて戦争のむごさと平和の尊さをかみしめた。
 今治空襲は1945年4月26日、5月8日、8月5日深夜から6日にかけての計3回行われ、市街地の約8割が焼失。県内最多の犠牲者が出た。
 式典は「今治市の戦災を記録する会」などが毎年開いており、8回目。記録する会の新居田大作会長(80)が「戦争体験者は高齢化が進み、戦後70年は生の声を語ることのできる最後の節目だと思う。風化させないためにも次の世代に伝えなければならない」とあいさつした。
 パネル展には空襲で焼け野原になった市街地、投下された爆弾など米国立公文書館所蔵の資料写真約30点が並んだ。写真は8~30日、同市常盤町5丁目の市中央図書館で展示される。