伊予市・中山中に「水族館」 校長と生徒描く
いつでも絵を見に帰っておいで―。愛媛県伊予市中山中学校の遠藤貢治校長(58)が校内の体育館の地下通路や階段の壁に「水族館」を描き、海の世界を表現しようと絵筆を握っている。17日の卒業のはなむけにと3年生22人に見立てた若アユの群れも加え、元気に巣立ってと目を細める。
美術教員の遠藤校長が壁画の制作を始めたのは新たな体育館が完成した昨年9月。体育館につながる地下通路が暗くて湿っぽかったため生徒が楽しく渡れるようにと壁や天井を青く塗装し絵を施している。
入り口はシーラカンスやアンモナイトが泳ぐ古代の世界。見上げると海面から光が差し込み、首長竜がのぞき込んでいる。
階段では全校生徒が描いたカラフルな魚やイルカがお出迎え。遠藤校長はいとおしそうに絵を眺め、つぶやいた。「学校はいつまで存続できるか分からないけど体育館は何十年も残る。将来、自分たちの絵を見るために中山に帰ってきてくれるとうれしい」