伊方・放射線防護施設、4ヵ所が土砂警戒区域に
四国電力伊方原発3号機での重大事故に備え、原発が立地する愛媛県伊方町で、放射性物質の流入を防ぐための「放射線防護施設」の整備が進んでいる。現在、町内に7施設あるが、うち4施設は土砂災害警戒区域内にある。日本一細長く、険しい山からなる佐田岬半島の地形上、警戒区域内に設置せざるを得ないのが実情だ。
4施設は、町の九町診療所(九町)、瀬戸診療所(三机)、串診療所(串)=診療所内を対策工事=と、社会福祉法人愛寿会が運営する高齢者総合福祉施設「瀬戸あいじゅ」(川之浜)=別棟で新築。内閣府は防護施設の指定要件として、耐震性や津波で浸水しないことを求めているが、土砂災害警戒区域外かどうかは要件ではない。
町総務課は「もちろん警戒区域外がベストだが、既存施設で改修整備する国の方針が前提にあった中で、候補地を選ぶのは地形上難しい」と説明。県原子力安全対策課も「要支援者の利用が念頭にあり、居住地の近くにあることが基本。周囲に適切な施設が少ない地域事情を考慮すればやむを得ない。土砂災害の恐れがある場合は安全な場所に避難させる」としている。