伊方原発訓練、規制委がやり直しの可能性言及
原子力規制委員会の更田豊志委員長代理は20日、東京・六本木であった定例会合で、14、15両日に実施された四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の重大事故を想定した総合訓練について「四電の訓練不足が感じられた」と述べ、19日の再訓練でも改善されていなければ、やり直しを求める可能性に言及した。
総合訓練は初日の14日、男性作業員2人が熱中症の症状を訴え一時中断。原子力規制庁は作業の手順や要員の体調管理に改善すべき点があるなどとして訓練の一部やり直しを求め、四電は指摘事項を踏まえて19日に再訓練を実施した。
原子力規制委によると、14、15両日に現地を視察した更田委員長代理は、四電の全体的な訓練不足を指摘。「手順や作業に対する習熟度が明らかに欠けていた」と問題視し、19日の再訓練の詳細な報告を受けて判断したいとした。
規制委の田中俊一委員長は「重大事故時の訓練なので『熱中症で倒れたからできない』では許容できない」と批判。1次冷却水ポンプのトラブルで伊方3号機の再稼働時期が当初の7月下旬から8月にずれ込む見通しとなる中、四電に対しバックアップ体制の強化と装備の改善、手順の習熟を求めていく必要があるとした。