伝える原爆の爪痕 新居浜でパネル展
70年を迎えた広島、長崎の「原爆の日」を前に、戦争の悲惨さを伝える「原爆パネル展」が21日、愛媛県新居浜市高木町の市総合福祉センターで始まった。県原爆被害者の会新居浜支部(富林健二支部長、39人)が10年にわたり続けており、惨状を伝えるパネル20点や原爆に関する書籍が平和の大切さを問い掛けている。25日まで。
「焼き場の少年」と題した元米兵カメラマン撮影の写真は、死んだ弟をおぶって火葬の順番を直立不動で待つ少年をとらえた。まっすぐな瞳が戦争のむごさを際立たせている。
背中一面が赤く焼けただれた少年の写真は、2010年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議のスピーチで長崎原爆被災者協議会の谷口稜曄会長が紹介した、自身の被爆間もなくの姿。「私たち被爆者は原爆の呪うべき爪痕を抱えたまま苦しみに耐えて生きている。核兵器はどんな理由があっても絶対に使ってはならない」との言葉が添えられた。
会場では希望者に支部会員が被爆体験談を語る。「はだしのゲン」のビデオ上映もある。