住友金属鉱山(東京)は26日、電気自動車(EV)などに使われる2次電池の正極材料であるニッケル酸リチウムの生産能力を約2倍に増強すると発表した。磯浦工場(愛媛県新居浜市磯浦町)と播磨事業所(兵庫県播磨町)の2カ所で計約180億円を投資し、需要増に備える。
 ニッケル酸リチウムは同社の主力素材の一つ。磯浦工場を中心に月間1850トンの製造能力を持つ。2カ所の新プラントは2018年1月に完成予定で、増強後の月産は3550トンになる見込み。現在の人員で対応し、新規雇用の予定はない。
 同社はパナソニックと共同開発した高性能ニッケル酸リチウムの生産設備を14年、16年に順次拡大してきた。今回の増産分は全てパナソニックに納入する。パナソニックの車載用2次電池は電気自動車メーカーの米テスラ・モーターズに供給されている。