2012年に愛媛県西条市中奥の増水した加茂川で幼稚園のお泊まり保育中に流され亡くなった5歳の男児の遺族らが10日、東京都千代田区で保育・教育現場での事件事故防止を考える「日本子ども安全学会」を開催した。現場の教育関係者ら約70人が参加し、講演や意見交換を通して子どもの安全管理を考えた。
 遺族らは同様の悲劇を繰り返さないために、事件事故防止を研究する団体を13年に設立。14年から毎年学会を開いているほか、安全管理に関する資格をつくり専門家の育成にも力を入れている。
 学会では子ども安全計画研究所(東京)の猪熊弘子代表理事が英国の保育制度を説明。子どもを預かる人や施設は全て登録認可を受けており、原則4年に1度専門機関による認可取り消しを含めた監査を実施していると語った。「(待機児童問題もあり)日本は認可をどんどんしているが、取り消しは数件。監査制度を厳しくしないと(安全管理が整っていない)危ないところが放置されてしまう」との考えを示した。