愛媛県東温市は31日、立場の弱い女性や子どものために活動し、多くの命を助けた市出身の社会事業家・城ノブ(1872~1959年)を題材にした市民ミュージカル「城ノブ 愛媛のマザー・テレサ」を制作すると発表した。市民らから出演者やスタッフを募る市初の市民参加型で、2017年4月に坊っちゃん劇場(同市見奈良)で上演する。
 17歳でキリスト教の洗礼を受け父に勘当されたノブは、家を出て全国で伝道活動に従事。神戸婦人同情会を結成し、恵まれない母子や自殺志願者らの救済に生涯をささげた。
 ミュージカルは、子どもたちが地域の魅力を掘り起こす中でノブの存在に触れ、過去と現在をリンクさせてその生涯を振り返るストーリー。脚本は八幡浜市民ミュージカルも手掛けた演出家大杉良氏=東京=が担当し、同劇場の役者やスタッフも参加する。
 大杉氏は「観客が東温市の魅力に引きつけられる内容にしたい」と説明。高須賀功市長は「幅広い市民に参加し見てもらい、感動を共有したい」と語り、劇場の越智陽一社長は「地域の宝物を次の時代につなげていく舞台になれば」と期待を込めた。
 17年4月29、30の両日に計2回上演する。