児童のPTSD「学校の対応不十分」報告 東温市いじめ問題調査委員会
2015年に愛媛県東温市立小学校の児童(11)が、いじめで心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとの診断を受けた問題で、市いじめ問題調査委員会が「(学校側の)組織としての対応が不十分だった」とする報告書をまとめたことが23日までに関係者への取材で分かった。児童の不登校に準ずる状態が1カ月以上継続した段階で、学校や市教委がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と判断することは可能だったなどとしている。
同法は、重大事態を「いじめによる自殺や精神疾患発症など重大な被害が生じた疑い」「年30日を目安に欠席を余儀なくされた疑い」がある場合と規定し、調査を義務付けている。
関係者らによると、報告では、15年4月ごろから児童が同級生に悪口を言われたり、石や砂を投げられたりしていたとし「当初、いじめに当たらないとした担任や教頭の判断は誤りだった」と指摘。同7月に児童がPTSDと診断されてから、今年2月に市教委が重大事態と判断するまで長期間を要したことに対し、学級に出席できず保健室で過ごすなど「いじめをきっかけに不登校に準ずる状態になったことは明白」で「児童や保護者の意思を尊重する姿勢が不十分だった」とした。