前衛美術開拓者・坪内晃幸さん「仕事展」 松山
愛媛県松山市出身の現代美術家、坪内晃幸(てるゆき)さん(1927~2005年)の作品を集めた「坪内晃幸の仕事展」が同市錦町のギャラリーキャメルKで開かれている。12日まで。
坪内さんは、関西の前衛美術グループ「具体美術協会」に所属し、愛媛に前衛美術を定着させようと活動した第一人者。使い終わった絵の具のチューブや段ボール箱に手を加えオブジェを創出。道路上に描かれた制限速度を示す「40」の標示に着目し、10年にわたって定点撮影した作品も独自の視線を提示した。
会場では坪内さんの死去2日後に同所で開かれた個展「オブジェの終章」を再現するインスタレーションにも取り組んでいる。当時、段ボール箱を用いたオブジェ400個を展示し、来場者に自由に持ち帰ってもらう趣向だったため、いまも作品を所有する人に持ち込みを依頼。期間中も持参を呼び掛けている。