「私たちの歴史を教えてください」―。薄墨羊羹(ようかん)で知られる老舗和菓子店「中野本舗」(愛媛県松山市)が創業当時などの情報を求めている。江戸時代の創業と推測されるが、文書や写真の記録は1945年の松山空襲で焼失し、判然としない。7月に就任した中野恵太社長(34)は「地元に愛される企業として新しい一歩を踏み出すため、歴史を振り返ってみたい」と話している。
 同社によると、1874(明治7)年に現在の「大街道本店」のある松山市大街道1丁目で「中野本店」(旧称)が営業していたという記述が伊予史談会の会誌に存在。徳島藩主の蜂須賀家に羊羹を献上したとの江戸時代の言い伝えも残っているという。
 中野社長は「郷土史を勉強、研究されている人に史料や写真を提供してもらえればありがたい」と期待。また「祖父母が薄墨羊羹をよく食べていた、進物として届けていたなどの昔話でもいいので聞かせていただきたい」と話している。
 募集は15日から11月5日までで、郵送と電子メールで受け付ける。
 宛先は郵便番号791―1114、松山市井門町1331の1、中野本舗本社工場店。Eメールhistory@usuzumi.co.jp