愛媛県今治市菊間町浜の加茂神社で600年以上続く秋季大祭の「お供馬の走り込み」が、保存伝承に取り組む地元の愛馬会メンバーらによって5月7日、本社の上賀茂神社(京都市北区)で初めて奉納される。お供馬の歴史を飾る一大イベントに、関係者らは「本家本元で立派な走りを見せたい」と準備を進めている。
 少年と馬が一体となって約300メートルの参道を疾走し、五穀豊穣(ほうじょう)などを願う走り込みは県無形民俗文化財で、上賀茂神社などによると、京都三大祭りの一つ葵祭の前儀で平安時代から毎年5月5日に上賀茂神社で行われる「競馬(くらべうま)」の流れをくむ。
 昨年、上賀茂神社で21年に1度の式年遷宮が行われたのを記念し、加茂神社が奉納を申し出ていた。7日は競馬と同じ約300メートルの馬場を使用。住民が飼育するサラブレッドが華やかな馬具をつけ、乗り子の中学生2人が着物に鉢巻きのおなじみの姿で勇ましい走り込みを披露する。