えひめ愛フード推進機構(会長・中村時広知事)は21日、愛媛県庁で総会を開き、残留農薬検査が強化された台湾への県産かんきつの2015年度輸出額が6万円にとどまったことが報告された。検査をクリアできない恐れが高いとして主力のハウスミカンの輸出を見合わせたため、14年度の1628万円から激減した。
 機構は県産かんきつの輸出促進を事業の柱の一つにしており、台湾は全体の8~9割を占める主要な輸出先だった。事務局によると、輸出再開の見通しは立っていない。
 他の国・地域へのかんきつ輸出額はシンガポール221万円、香港87万円、マレーシア65万円、カナダ50万円で、全体の輸出額は前年度比77.4%減の432万円だった。
 中村知事はあいさつで「生産者に台湾の農薬基準での栽培にチャレンジしてもらっているほか、基準を元に戻す交渉を国に強く求めて、輸出再開に結びつけたい」と述べた。