地域の絆つくるには? 松山の市民グループが家庭訪問
大災害など万が一の際に助け合える地域づくりに向け、愛媛県松山市内宮町の市民グループ「わがまち絆づくりの会」(長谷川ツヤ子運営委員長)のメンバーが、市内の家庭を訪問し、課題の洗い出しなどを進めている。聞き取りなどを通し、想像以上に地域の絆が失われていると実感。「便利な世の中で壊れてしまった絆を取り戻そう」と意気込んでいる。
北条地区の海岸部で、運営委員の門屋和敬さん(67)が呼び鈴を押す。「災害時の避難場所は決めてますか」「ご近所で付き合いはありますか」。市の登録NPO団体だと告げ、柔らかに話し掛ける。当初は警戒していた住民も「避難所の集会所は、自宅と同じくらい低い場所で不安」「1週間以上、誰とも話をしてない」と本音を語り出した。
会は東日本大震災を機に、命を守る助け合いができる地域づくりを目的に2011年に発足。当初は集会所単位での「井戸端会議」を計画するなどしたが、参加者が集まらず難航した。そこで「一軒ずつに活動の大切さを訴えるしかない」と一念発起し、各戸への訪問とアンケートを決意。地道な歩みを進める一方、要望があればボランティアの学生らと独居の高齢者方の草引きや電話相談も行う。