太平洋横断先人思う 八幡浜で手作りいかだレース
大正時代に小型帆船「打瀬船(うたせぶね)」で太平洋を横断し、米国に渡った愛媛県八幡浜市真穴地区の先人の進取の精神を受け継ごうと、地元の真穴中学校の全校生徒26人が1日、恒例の手作りいかだレースを行った。夢を追いかけた先人に思いをはせながら、仲間と協力して大海原にこぎ出した。
学校近くの海岸から約500メートル離れた沖合の岩礁・蕪島(かぶしま)を目指すことから「蕪島レース」と名付けられ、1994年から夏休みに実施。生徒たちは7月末、養殖用のブイと竹、ベニヤ板でいかだを製作した。
午前8時半すぎ、生徒の4隻と保護者の計5隻が海岸を一斉にスタート。強い日差しの中、生徒らは掛け声を合わせてオールをこぎ、ひたすら前進した。遅れを取り戻そうとメンバーが船尾でバタ足をしていかだを押すチームもあり、海岸で見守った住民から声援が送られた。
5隻とも約25~40分で蕪島に到着。岩場に生えるマツに水をやったり、水遊びを楽しんだりした。