奥伊予の奇祭「どろんこ祭り」として知られる西予市城川町の「土居の御田植行事」(県無形民俗文化財)が2018年、休止することが19日までに決まった。神事に使う牛を地域で確保することが難しくなり、少子高齢化により住民の運営の負担が大きいため。
 同行事は明治時代に土居地区の三嶋神社神田で始まり、毎年7月に田植えが終わったことを感謝し、豊作と無病息災を祈る。昔ながらの田植えを順序立てて表現。代かきでは牛が7頭並んで息を合わせ、水しぶきを上げてくわを引っ張る。若者も泥だらけになって神楽などを演じ、1960年代ごろから「どろんこ祭り」として県内外に知られるようになった。2010年にも九州での口蹄疫(こうていえき)被害で中止した。
 市観光協会城川支部によると、地区の畜産農家から肉牛を借りて調教していたが、農家数減少で継続が困難になり、近年は牛の使い手や神楽の踊り手も、地区外の協力を得ている。地元から負担の大きさを理由に中止を求める声があり、同支部や市、公民館、地元代表者が9月に中止を決定。11月に区長会で報告した。