ついにつながる夢の架け橋―。愛媛県宇和島市陸地部と沖合の九島を結ぶ「九島大橋」(全長468メートル)の橋桁架設工事は13日、三つの橋桁ブロックのうち、最後の一つが中央部分に設置され、九島は事実上の陸続きとなった。世紀の瞬間を多くの市民がそれぞれの思いを胸に見届けた。
 九島大橋は島民の利便性向上や行政サービスの格差解消を目的に、同市坂下津と九島の蛤を結ぶ箱桁橋。2013年6月に本格着工し、16年3月の完成を目指す。取り付け道路整備などを含めた総事業費は約85億円に及ぶ同市の一大事業だ。
 現在、島民約1000人の生活は目と鼻の先にある市街地への移動もフェリーや漁船が必須。時間的制約や諸経費が生活を圧迫し、架橋は半世紀以上にわたる悲願だった。
 13日は建設現場を望む九島の広場に100人以上が集まった。午前10時半、大型クレーン船を使った最後の橋桁ブロックの接続作業が終了し汽笛が鳴り響くと、割れんばかりの拍手が起こった。
 市は16年4月1日の供用開始を目指す。