宇和島城の作事所跡 国史跡追加へ
国の文化審議会(宮田亮平会長)は20日、江戸城石垣石丁場跡(神奈川県、静岡県)や土佐藩主山内家墓所(高知県)などを国史跡に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。愛媛県内では国史跡「宇和島城」(宇和島市丸之内)で、新たに見つかった宇和島藩の作事所跡などを追加指定するよう答申があった。2、3カ月で正式指定される見込み。
宇和島城は1596(慶長元)年に藤堂高虎が山城を改修、1615年に藩祖の伊達秀宗が入部し宇和島伊達家9代の居城となった。1937年に国史跡に指定された。
追加指定されるのは日本たばこ産業宇和島営業所跡地で、面積は約5363平方メートル。今年5月に市教育委員会が試掘調査し、江戸時代の遺構が確認された。市所有の「宇和島城下絵図屛風」(1700年ごろ)と比較し、藩の建造物を作ったり修繕したりする作事所跡と、隣接する上級武家屋敷跡の一画と想定されている。