元宇和島市長の中川千代治さん(1905~72年)が、54年に米国ニューヨークの国連本部に寄贈した「平和の鐘」に関する講演会が5日、愛媛県鬼北町延川の三島小学校であり、全校児童約40人が平和の尊さを学んだ。
 若い世代に平和の鐘の役割や中川さんの平和に対する思いを広めようと、鐘の保持、普及活動などを行う一般社団法人「国連平和の鐘を守る会」が企画。小学校では初めて開いた。
 中川さんの六女で会長の高瀬聖子さん(68)が、平和の鐘をテーマにした絵本の朗読を交えながら、第2次世界大戦後に世界65カ国で集めた硬貨などを溶かし鋳造した経緯などを紹介。当時の状況を踏まえ「千代治は周囲から懐疑的な目で見られようと、平和への強い信念を持って鐘の製造に注力した」と語った。