無病息災、五穀豊穣(ほうじょう)を願う愛媛県今治市朝倉上の客天神社の弓祈禱(きとう)が8日にあり、かみしも姿の射手3人が住民らの思いを背負って次々に矢を放った。
 同神社の弓祈禱は1662(寛文2)年に始まったとされ、市指定無形民俗文化財。「大前」「中立」「弓関」と呼ばれる射手が裏に「鬼」と書かれた直径約60センチの的を狙い、一年の吉凶を占う。戦時中に途絶えたが、その後は氏子でつくる保存会が継承している。
 見物客が集まる境内に射手の石丸奉秀さん(24)、石丸博士さん(20)、白石海斗さん(18)が登場。雨のため社殿から約5メートル先の的に片肌脱いで矢を射掛け、命中するたびに歓声が上がった。