1月に放送された別子銅山を舞台にしたドラマで住友初代総理事・広瀬宰平(ひろせ・さいへい)を演じた俳優の榎木孝明さん(60)が30日、愛媛県新居浜市坂井町2丁目のあかがねミュージアム多目的ホールで講演し、役作りへの思いを語った。
 榎木さんは宰平について何カ月も前から研究したことを明かし「(明治時代の)当時、百年先のことを考えた事業をやったなんてすごい。調べれば調べるほど、好きになった」と称賛。前日は市内にある旧広瀬邸も訪れ「落ち着く自分がいた」と笑った。
 30代のころ、映画で上杉謙信を演じた際に役作りで苦労したことで「演じるには自分をいかに捨てるかが大切。榎木孝明という範囲を抜けないと、役の人間の大きさが出ない」と実感。今回、宰平の魂をどう演じるかを最も大切にしたと話した。