長時間の姿勢維持や繰り返しの息止めが必要な心臓の磁気共鳴画像装置(MRI)検査で、済生会松山病院(愛媛県松山市山西町)がドイツの電機大手シーメンス社と共同で短時間かつ精度の高い検査法を開発した。約70分かかっていた検査時間を30分程度に縮めるなど患者負担を軽減。同病院の渡辺浩毅・循環器センター長は「さらに使いやすくして検査の普及に努めたい」としている。
 同病院は2014年からシーメンス社製の最新機器「3テスラMRI」を国内で唯一導入しており、臨床データを蓄積しながら同社と共同でソフトウエア開発に取り組んできた。
 新たな検査法は少ないデータで画像を復元する圧縮センシング技術を使い、検査時間の短縮を実現。従来は複数の撮影データで画像を構成するため通常8回の息止めが必要だったが、1回で済むようになり、不整脈や呼吸困難の症例でも検査が可能になったという。