二宮忠八の夢を継いで大空へ―。愛媛大の航空力学研究会「二宮翔会」はこのほど、水素燃料電池を搭載した人力飛行機「平成カラスXI(じゅういち)」を完成させ、96メートルの飛行に成功した。研究会によると、燃料電池搭載型の人力飛行は世界初という。メンバーは「いつか瀬戸内海を横断したい」と大きな夢を描いている。
 燃料電池の搭載は、2011年に顧問で大学院理工学研究科の野村信福教授(50)=熱工学=の研究室が、廃油から取り出した水素を使って自動車の駆動に成功したのがきっかけだ。
 飛行は14年11月15、16の両日、岡山県笠岡市の笠岡ふれあい空港で実施。飛んだものの、水素ボンベの温度低下で水素の供給が短時間で止まり、想定の距離を出せなかった。