北朝鮮人権侵害問題啓発週間(10~16日)に合わせ、「拉致問題を考える研修会」が10日、愛媛県庁であった。拉致被害者の松木薫さん=失踪当時(26)=の姉斉藤文代さん(70)=熊本県菊陽町在住=が講演し「私たち家族のことを忘れないで力を貸してほしい」と訴えた。
 政府によると、松木さんは欧州滞在中の1980年に失踪した。斉藤さんは、息子の帰りを待ちながら2014年に92歳で亡くなった母スナヨさんを思い「何とか会わせてあげたいと思っていたが、かなわなかった。子どものことを考えると母も死にきれなかっただろう」と声を落とした。
 研修会は県が毎年開催。県職員や市町職員、県民ら約300人が耳を傾けた。