水処理装置製造の愛研化工機(愛媛県松山市)が排水処理技術のインドネシアへの輸出を進めている。環境性能の高さを売りに、今年1月に現地の製造業者と技術ライセンス契約を締結。経済成長著しいインドネシアで販売を広げたい考えだ。
 輸出を目指すのは、微生物などを使って排水からメタンガスを分離・回収する技術。メタンガスはボイラーの燃料などとして再利用できることから、省エネにもつながるという。
 16日からはライセンス契約を結んでいる現地企業「アルタ・エンバイロタマ」(ジャカルタ)の経営者らが来県して技術研修をスタート。愛研化工機が主要部分を製造・輸出するものの、技術移転でプラントの大半を現地製造してコストを抑え、現地で販売しやすい価格設定ができる契約になっている。
 18日はアルタ社のヨハネス・ロマン社長らが大洲市の食品加工工場に設置されたプラントを見学。装置の特長を説明する愛研化工機の岩田真教社長に排水の流れや壁面の構造などを細かく尋ねていた。
 ロマン社長は「インドネシアではこれまで経済成長一辺倒だったが、環境への配慮も求める風潮が出てきており、愛研化工機の技術が適している」と評価。愛研化工機の海外進出はベトナムに続き2カ国目で、岩田社長は「今後は東南アジア全体に広げたい」と意欲を示した。