木材などを原料としたバイオマス素材として注目されるセルロースナノファイバー(CNF)に関するセミナーが13日、愛媛県四国中央市のホテルであった。活用に関心を持つ企業関係者ら約140人が参加し、新素材の利用について考えた。
 CNFはナノ(10億分の1)メートル単位の幅にまで植物繊維を細分化して得られ、軽量な上に鉄の5倍以上の強さを持つとされる。実用例はまだわずかだが、中小企業を中心に広く活用を検討してもらおうと、四国経済産業局や県などが初めて開いた。
 愛媛大紙産業イノベーションセンター長の内村浩美教授は「四国にはセルロースの素材を生み出す農林業や繊維産業に加え、加工する紙産業や化学産業もあり、CNFを軸にした生産拠点になり得る」と強調。「生産から用途展開まで一貫したシステムを構築し、低コストで大量供給できる態勢づくりが必要」と提言した。