今春の第10回沖縄国際映画祭に出品される今治市の島を舞台にした映画「船長さんのかわいい奥さん」の製作が進んでいる。同市の伯方島や大島、大三島でこのほど撮影が行われ、出演俳優や愛媛ゆかりのお笑い芸人らが参加した。
 映画祭は、吉本興業などでつくる実行委員会が2009年から開催。11年以降、全国のまちの魅力を伝える地域発信型映画を企画しており、愛媛を舞台にした製作は初めて。
 「船長さん―」は今治市の島に住む夫妻が主人公。3カ月乗船し1カ月陸で暮らす内航船員の夫を、島民と交流しながら待つ妻。久しぶりに会う2人は当初はぎくしゃくしたり、すれ違ったり。徐々に近付いていくが、夫はまた船に乗り、妻だけの生活が始まる。脚本を手掛け初のメガホンも取る張元香織監督は「地元では当たり前の内航船員の仕事を全国に伝えたい。知らない生活習慣や方言などは面白く、記録的なものにもなる」と話す。
 妻役は日韓合作の「蝶の眠り」(中山美穂主演、5月公開)や「螺旋(らせん)銀河」などに出演した澁谷麻美。夫役は多くの映画に起用されてきた松浦祐也が務める。大洲市出身でお笑いコンビ・バンビーノの石山大輔、愛媛住みます芸人ひめころんの2人も配達員やライブハウスの客役で登場する。
 沖縄国際映画祭は4月19~22日に開催。「船長さん―」は映画祭後、イオンシネマ今治新都市(今治市)で上映予定。