東寺百合文書、記憶遺産に 弓削島荘の記録多数
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は10日、日本が申請した「東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)」を世界記憶遺産に登録したと発表した。東寺百合文書には、鎌倉―室町時代にかけて東寺(京都市)の塩の荘園だった「弓削島荘」(愛媛県上島町)に関する記録も多数含まれている。
「塩の荘園」として栄えた弓削島の解明に取り組む研究者や地元まちづくり団体からは、登録を祝福する声が挙がった。
1972年に教員として弓削高校に赴任以降、弓削島荘の研究を続ける松山大の山内譲教授は「長い間研究対象としてきたものが世界的な評価を得ることになりうれしい。弓削島にとっては、地域の歴史を知ることができる貴重な史料。認定が一つの刺激となり、弓削島荘への関心が高まれば」と喜んだ。