【豊かな自然 魅力発信へ 坂本さん「穂田流」/地区活性化協議会「井内米」】
 米どころ復活へ―。かつて米の産地として知られた愛媛県の東温市山あいの三内地区で生産された2種類の棚田米がこのほど、「第3回すし米コンテスト・国際大会」(米・食味鑑定士協会主催)で大賞をダブル受賞した。「三内ならではの米のおいしさを評価してもらえた」と喜ぶ生産者ら。魅力を広めるきっかけにしようと意気込む。
 受賞したのは同市河之内の坂本憲俊さん(64)がつくるコシヒカリ「穂田琉(ほたる)」と、同市井内の生産者らで組織する井内地区活性化協議会が出品したコシヒカリ「井内米」。
 コンテストは世界に広がるすし文化をさらに発展させようと、同協会が「アイホー炊飯総合研究所(愛知県)」と開き、2015年度産の146点を審査。すし米としてのおいしさを追求し、食感を決める「粒々感」や弾力、粒ぞろい、喉ごしなどについて、にぎりずしや押しずし、回転ずしなど6項目への適性を判断した。4項目以上で特Aランクを得た18点が大賞を受賞した。
 河之内、井内、則之内からなる同地区では、かつてブランド米「三内米」が知られたが、過疎高齢化などで徐々に姿を消したという。三内米の復活に取り組む坂本さんは「でんぷんの醸成に関わる寒暖差や豊かな水が良質米を生んでいる。品質が評価された」と話し「同時受賞がうれしい」と笑顔をみせる。