松山の水、将来的議論を 中村知事が会見
中村時広知事は5日、愛媛県庁で定例会見した。長期的水需給計画の不足水量を日量4万8千トンから4万トンに縮小する松山市の試算で、市議から不足水量の過大評価などと批判が相次いでいる点に、市の脆弱(ぜいじゃく)な水源環境を挙げて「将来的な責任を担って議論してほしい」と求めた。
市の試算は、人口減少や節水意識の高まりなどを反映する一方、近年の気候変動リスクに備える「都市リスクの低減」の枠を新たに設けている。
松山市長時代、西条からの分水を推進してきた中村知事は、松山市には石手川ダムと地下水という二つの水源しかなく、渇水時は約50万人を抱える県都の機能がまひするリスクを背負っていると強調。「(水量縮小の試算は)単純な問題ではない。(課題の解決に向け)議論するのが政治家の責任であり、『もしものときにどう責任を取るのか』と問いたい」と訴えた。