松山出身の嶋大夫さん 東京で「人間国宝」認定祝う会
重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された愛媛県松山市出身の人形浄瑠璃文楽太夫・豊竹嶋大夫さん(83)=本名・村上五郎、東京都新宿区=を祝い励ます会が19日夜、東京・虎ノ門のホテルであった。嶋大夫さんは「大変重くありがたいお役を頂戴しました。浄瑠璃が大好きです」とあらためて喜びを語り、文楽の継承・発展へ一層の精進を誓った。
会発起人の作家半藤一利さんは、熊本県の自治体から雪女を題材にした新作文楽の床本(台本)を頼まれた際、監修の嶋大夫さんから「分かりやすく哀れで恐ろしく、かつ悲しく作りなさい」と助言され、文語体から口語体に切り替えたエピソードを披露。「鹿児島の民謡おてもやんも組み込んでみたが、嶋大夫さんは上手に歌った。日本の伝統文化は奥深く、何でも自分たちのものにすると感服した」と振り返った。