松山市議会空転8時間 答弁後の反問権行使めぐり
愛媛県の松山市議会は3月定例議会の一般質問が行われた4日、理事者が議員に逆質問できる「反問権」の行使をめぐって議論が約8時間、空転した。市議会本会議の質問実施要領は「反問は質問に対する答弁の際に行うことができる」としているが、理事者は自身の答弁後に反問権を行使。市は「議事進行に混乱を招いた」としている。再開後、理事者と議員の反問に絡む発言部分をそれぞれ取り消した。
岡雄也氏(自民)は一問一答方式で、65歳以上の市民を対象に、市内公衆浴場14カ所の入浴料金を2016年度から月4回(15年度は月2回)半額補助する事業と、道後温泉本館・椿の湯を85歳以上は毎日無料、65歳以上は毎日半額にする事業を比較。居住地域による不公平感を指摘し、予算を増額し公衆浴場でも毎日半額の実現を提案した。
西市裕二社会福祉担当部長は自身の答弁を終えた後、議長に反問権の許可を求め「実施した場合、予算額は15年度の570万円の14倍となる8000万円が必要になる。これを踏まえ考えを聞かせてほしい」と逆質問。岡氏は「公衆浴場に入れる機会が少しでも公平になるようにと提案した」などと答えた。岡氏が議事整理のための休憩を求める動議を出し、本会議は午後0時14分に休憩に入った。
議会事務局によると、市議会では12年12月定例議会から一問一答方式を導入し、合わせて理事者に反問権を付与していた。議員への質問内容に制限はない。
本会議は午後8時10分に再開し、岡氏の質問を続行。予定していた武井多佳子氏(ネットワーク市民の窓)と杉村千栄氏(共産)の一般質問は7日に変更した。